草木染めの簡単な手作り方法や作り方・DIY・レシピ
草木染めを作ることの楽しさ
植物選びだけでなく、媒染剤や布の素材選びも大切な草木染め。そこに、自分好みに染あげる楽しさがあります。自分好みの色合いに染めるために必要な「媒染剤」にはどんなものあるのかというと、「ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)」。これは、料理に使うものなのでスーパーや薬局などで手に入り、明るい色に発色してくれます。「木酢酸鉄」は、さびた鉄くぎと酢で作ることができ、渋く暗い色になります。「酢酸銅」は、銅線と氷酢酸で作ることができ、濃く深い色になります。また、媒染剤の他に、染める繊維を何にするかによっても色の濃さや薄さが変わってきます。例えば、動物性の繊維である絹やウール(毛)は染まりやすく、植物性の繊維である木綿や麻は染まりがあまりよくありません。なので、染める前に、布を豆乳や牛乳などで浸すなどの下準備をすることで、染料の染めつきをよくすることができます。「植物×媒染剤」の組み合わせでどんな色がでるのかいくつか例をあげてみます。メドーセージの花×ミョウバン(媒染剤)は紫系の色になり、桑の葉・茎・枝×酢酸銅は緑系、緑茶×ミョウバンは茶系、たまねぎの皮×ミョウバンは黄色、オレンジ、赤茶系に染まります。
草木染めを作るのに用意する物
草木染めは、天然の植物を植物染料として染める方法のことで、ウールや絹、綿、麻素材のものであればどんなものでも染めることができます。植物の花びらや葉っぱ、茎、根、木の枝葉や樹皮、そして身近な野菜であるたまねぎの皮や豆の煮汁、紅茶やコーヒーなども全て植物ですから、植物染料として使うことができます。草木染めは自宅でも簡単にすることができます。草木染めを作る際に用意するものは、ミョウバン、植物染料となる植物と、草木染めしたい布や糸です。用意する道具は、ホーローの多めの鍋、ざる、菜箸、秤、軽量カップ、温度計、ゴム手袋です。植物染料で染めただけでは色が安定しないことがありますから、ミョウバンを使って化学反応させて固着と発色をさせます。ミョウバンは薬局やスーパーで購入できます。使用する道具としては、ホーロー以外にステンレス製でも可能ですが、鉄やアルミ、銅で出来たものは化学変異を起こす可能性がありますから、使うのを控えましょう。草木染めする布は、ポリエステルなどの化学繊維は染まりませんから、自然素材の植物繊維や動物繊維のものを用意しましょう。植物は植物染料にすると思いがけない色を発色してくれるのが草木染めの醍醐味でもありますから、身近に咲いている花や草、葉っぱで色々試してみると楽しいでしょう。
草木染めの作り方の手順
草木染めの手作り方法は、まずは草木染めしたい布に付着している油や汚れを落としましょう。熱めのお湯に少しの中性洗剤を入れて洗い乾かしておきます。布が植物繊維の場合は、染まりにくいことがありますから、その場合は繊維にたんぱく質をつけて染まりやすくする前に牛乳に浸して、そのまま水で流さずに乾かして使います。布に草木染めで模様をつけたい時は、この段階で輪ゴムで布をねじったり縛ったりするといいでしょう。次の植物染料を作ります。用意した植物を水に浸して鍋にかけ沸騰させたら、水を捨てて植物をこします。それは染め液となります。さらに濾した植物を再び鍋に戻して水を加え、もう一度沸騰させて先ほどと同じように濾すと1回目より濃い染め液が作れます。1回目に作った染め液と2回目のを混ぜてお鍋に入れ、ミョウバンを加え40度くらいまで冷まします。ミョウバンは染める布の重さの3%くらいの量を入れましょう。ミョウバンを入れることで化学変化が起こりますから、ゴム手袋をして直接染め液を触らないようにしましょう。冷ました染め液に布を入れ、60度くらいの温度で30分ほどゆっくり染めます。菜箸を使ってゆっくりかき混ぜながら染めましょう。染め終わったら、ぬるま湯で色が出なくなるまで洗い流し、洗濯機で脱水して日陰干しをしたら完成です。草木染めは自然な色合いで、しかもオリジナルの色が出せるのが魅力です。様々な植物を使って草木染めをするといいでしょう。
草木染めの作り方のまとめ
最後に、子どもたちにも簡単にできる草木染めの手作り方法を紹介します。どこの家庭でも手軽に手に入るたまねぎの皮で木綿のハンカチを染めてみます。木綿は植物性なので、下準備が必要になります。下準備の方法は、1対1の割合の成分無調整の豆乳の中にハンカチを20分間ひたし、水洗いせず脱水して干します。乾いたら布に輪ゴムなどでくくって模様をつけます。染め方は、鍋でたまねぎの皮50gと水5,000ccを入れ30分間煮出し染料をつくります。煮出したらたまねぎの皮は取り出します。別の鍋に500ccの湯を沸かし、焼きみょうばん8gを入れ、透明になるまで溶かし媒染剤を作ります。染色する前に、ハンカチをお湯につけて湯通しをしておきましょう。染め液を火にかけ、ハンカチを入れ15分間煮染めした後、水洗いして、媒染剤の中で15分~30分ほど浸します。ゴムを取り外し、再び水洗いして干せば鮮やかなオレンジ色のたまねぎ染めが完成です。媒染剤としてミョウバンの代わりに木酢酸鉄や酢酸銅を使うと、深みのある茶系、こげ茶系の色に仕上がります。染め上がりの色は、染色液に浸す時間や、媒染剤の種類や濃度、染める布素材の種類によってだいぶ変わるので、色々と試しながら自分好みの色に仕上げる方法を見つけるのが草木染めの醍醐味でもあります。
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昔から、森や野原に生えている植物を染料にして布や紙を染める「草木染め」が行われてきました。自然の草花で染め上げる草木染めは、やさしく、やわらかで奥深い風合いが魅力です。簡単な草木染めであれば、家にある道具と森や野原から採取してきた植物があればできるので、子どもらたちの夏休みの自由研究としても人気です。「どんな植物で草木染ができるの?」そんな質問をされたとしたら、答えは「ほとんどすべての植物が染料になると考えて良い。」です。ひとつの植物でも花の部分を染料にするか、それとも葉、茎、根を染料にするかによって色合いが変わってくるのも草木染めの魅力です。都会に住んでいて、「近くに植物がない。」という方も料理で使った野菜や果物の皮、小豆や黒豆の煮汁、コーヒーや緑茶でも草木染めを楽しむことができます。しかし、草木染めは、植物を煮た色素だけでは染まらず、色はすぐ落ちてしまいます。そこで、色を定着される工程が必要となります。その工程を「媒染(ばいせん)」といいます。この媒染をすることで色を定着させ、さらに発色もしてくれます。媒染するために必要なのが主に金属で作る「媒染剤」です。この媒染剤を何にするかによって、仕上がりの色が変わります。