作務衣の簡単な手作り方法や作り方・DIY・レシピ
作務衣を作ることの楽しさ
『作務衣』の良い点は、やはりその楽な着心地にあります。簡単でゆったりした作りなため、体を締め付けることもなく、また抜群の動きやすさを兼ね備えているため、作業をする際には最適な衣類でもあります。素材も綿以外に麻やポリエステルなど、季節や用途により使い分けができるため、年間を通して着用できるところも魅力の一つでもあります。 この衣類に似たものに「甚平(じんべい)」がありますが、この2つの違いとしては、作務衣が僧侶が来ていた衣類で袖が長めであり下はもんぺであるのに対し、甚平は江戸末期に庶民が来ていた袖無し羽織りから由来するとされ、身頃と袖が肩から脇のあたりでタコ糸のようなものでつながった形状をしており、袖も短めなので、非常に通気性が良くなっています。また下は膝丈のハーフパンツのような形状で、現在では夏の暑い時期に着る季節着として扱うことが多いです。 僧堂においての作務衣には、色を変えることで僧侶の位を示すことができます。一般の修行僧(大衆とも呼ぶ)は黒色を、住職などの位の高い僧侶は藍色や黄土色、茶色などの黒色以外の色を着用しています。 普段着にも作業着にも最適な作務衣は、簡単な作りなため手作りすることも可能です。手作りすれば自分の体形に合ったサイズで作れるので、着心地も更に良くなります。
作務衣を作るのに用意する物
作務衣はもともとは禅宗の僧侶が日々の雑務を行うときに着る衣ですが、今では家着として作務衣を着る人も多くなってきています。作務衣の素材もいろいろなものがあります。昔は麻や綿のものでしたが、今ではポリエステルのものも多くなってきています。家着として有名な甚平と同じように扱われることも多くなっています。作務衣を作る時に必要なものはいくつかあります。一番必要なものは作務衣を作るための布です。着ていない浴衣などがある場合はそういったものでも良いです。自分で着るために作るのであれば、自分が着たい布を使って作ると着る楽しみも増えます。作務衣の手作り方法などもあり、簡単に製作することができるので是非挑戦してもらいたいです。作務衣のズボン用にゴム紐も必要となります。ゴム紐を使うズボンなので履きやすいです。裁縫道具も一式あると製作をする点で便利です。特にミシンなどがあると効率よく作業を進めることができるのでおすすめです。寸法などを測る型紙なども必要となります。型紙などを使ってしっかりと寸法を測ることで体にピッタリとした作務衣を作ることができます。使う糸なども布に合わせた色にすることで目立つことなくなじませることができます。
作務衣の作り方の手順
まずは上着を縫っていきます。着なくなった浴衣などを使うと便利です。衿先を下から4cm、上着の両脇線、袖口から下10cmくらいをほどいていきます。後ろ繰り上げ分を平らにアイロンをかけていきます。前後の裾線を合わせて輪になる肩線をアイロンで決めておきます。袖下に印をつけて切り落としていきます。表から縫い代5mmで縫っていきます。裏返して1cm縫い代で袋縫いにミシンをかけていきます。紐4本を縫っていきます。布が無ければ2本を着物の布で縫います。脇線を中表に合わせて、縫い代の幅から平行に脇線としてスリットを残してミシンで縫っていきます。この時に右脇線にのみ紐を表にでるように挟んでいきます。そのまま一緒に縫い込みます。着物の脇線は少し下に向かって斜めに狭くなるので、身幅を平行にしていきます。脇線や裾線の三つ折りや衿先を折り込んでアイロンで押さえます。裾線と脇線、衿先をつけます。紐3本を縫い付けて上着は完成です。次にズボンを作っていきます。前股ぐりはゴム口股下3cmくらい残して引っ張りながらミシンをかけていきます。後ろ股ぐりも同じようにミシンをかけます。ウエストと裾を三つ折りにしてミシンをかけ、それぞれゴムを通して完成です。
作務衣の作り方のまとめ
手作り方法として、型紙はインターネットや本などで購入できるので、自分の体形に合ったサイズをそれらから選んで使用します。インターネットのサイトには、無料でダウンロードできるところもあるので、利用すると良いでしょう。 材料は紳士用で、生地(90㎝幅×4.5m)、ゴム紐40㎝、スナップ1組、ファスナー25㎝丈1本です。 1.生地から型紙通りに身頃1枚・衿2枚・袖2枚・ズボン2枚を取り、裁断します。 2.上着から作っていきます。身頃と袖を縫い合わせます。 3.脇の部分をスリット止まりまで縫います。 4.袖下の部分は、ゴム通し口を残して縫います。 5.袖先は裏側へ折り返して、さらに端1cmをもう1回折り返してミシンをかけます。袖先5mm内側もミシンをかけてゴム通しを作ります。 6.後ろ身頃の中心を縫い合わせ、ここまでの縫い合わせた箇所を、ジグザグミシンまたはロックミシンをかけて処理します。 7.前後の身頃の裾とスリット部分を三つ折りにし、角は額縁にして縫います。スリット止まりには、ほつれ止めのミシンをかけます。 8.衿は、背中中心の縫い合わせ位置に合わせて縫っていきます。衿幅に合わせて折り返して裏でまつり縫いをします。裾も同様にまつり縫いをします。 9.紐は12cm×25cmで作り縫いつけます。袖先にゴムを通したら上着の完成です。 次はズボンです。 1.裾のゴム通し口を残して股下を縫い合わせます。 2.股上も同様にゴム通し口を残して縫い、それぞれの縫い代の始末をします。 3.足首部分は、袖先と同様に行い、ゴムを通しを作ります。 4.ウエストはゴムを2本通すため、袖先の作業を2度行います。またの部分に補強のための布をつけます。(2cm×10cmのバイヤス断ち) 5.ウエストと裾口にゴムを通したらズボンの完成です。
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「作務衣」は、禅僧の僧侶が日々の雑事(作務)を行う際に着る衣類のことです。この衣類は、現在の形状のものを指すまでは、特に決まった形があったわけではありませんでした。そのため、作務を行う際に着用していた衣類の全般をこのような呼び名で呼んでいました。作務には、掃除や薪割り、畑仕事などの寺院を維持していくために行う労働のことで、この時に着用していたものが作務衣です。基本的に作業着であるため、正式な座禅や法要の場では着用しません。現在の作務衣の形になった時期に関しては、しっかりとしたことは分かっていませんが、明治以降であるとされており、一説では昭和40年代に、福井県にある曹洞宗の寺院である永平寺において、着用されていた衣類が最初であるといわれています。その時の原形は、着物の上から羽織った「上衣ともんぺ」であったとされ、当時のものは中に来ていた着物の袖をすっぽりと覆うために、現在ものと比べると上衣の袖が太くなっていました。また、僧侶が外出する際に着用するものには上衣の裾が長いものもあり、これを「長作務衣」と呼んでいました。外出時に土やほこりなどが着物に入り汚れないよう、ゴム紐などで縛ってあるものが多いです。このように作務衣は、僧侶の日常の作業着として必要不可欠な衣類であり、また現在では、一般人もその楽な着心地から普段着として、また作業着としても活躍しています。