かかしの簡単な手作り方法や作り方・DIY・レシピ
かかしを作ることの楽しさ
実際に田畑に案山子をたてることは少なくなった今でも、伝統行事の流れをくみながら変化した手作りの案山子を競う「かかし祭り」が各地で行われています。家族や友人たちと手作りの案山子を出展するのも現代的な案山子の楽しみ方のひとつです。日本全国には様々なかかし祭りがあるので、その一部を紹介します。かかしの故郷の北海道共和町の「かかし祭り」では、100体以上の個性的なかかしが並びます。山形県上山市の「かみのやま温泉全国かかし祭り」は、1971年から毎年開かれ、全国各地から500体以上の手作りかかしが参加します。また、かかし祭りは里山だけでなく、東京でも開催されています。東京港区東麻布商店会の「かかしまつり」は、その昔、商店会に東北地方から上京した人たちがたくさん働いていたので、故郷から離れて働く人たちを励ましたいという思いではじまったお祭りです。このほか、熊本県天草市宮地岳町や茨城県常陸太田市などでも開催されています。各地のかかし祭りで出展される手づくりの案山子には、昔ながらのわらで作った「へのへのもへじ」もあれば、アニメのキャラクターを模したものやドラマやスポーツで話題となった人物をモデルにしたものなどがあります。
かかしを作るのに用意する物
嘗て田んぼのあぜ道を歩くと必ず目にした「かかし」も、最近ではあまり見かけなくなりました。 鳥の中でも頭脳明晰で有名なカラスも怯える、大きな目玉をプリントしたバルーンや、常に人の行き交う環境での作業が多い都心部での田んぼでは需要が減った為です。 しかし、コミュニケーションの一環として町内の子供会でかかしを作ったり、かかしフェスティバルと銘打った、かかしの出来具体を争う大会まで催される程、かかしブーム再来の兆しが見えています。 かかしは基本的に人間に見立てた人形が本来の形です。 農作物を荒らす動物や鳥から田畑を守る為に、人間が監視している様に見せかけ、近づかせない目的で使用します。 作る際に用意するものは、人が着用する洋服や長靴、軍手や麦わら帽子、人間本体の変わりをするワラの束、かかしを支える事が出来る、丈夫な柱(木の枝や使い古した洗濯物干し竿でも可)です。 人間の髪の毛を再現する黒い毛糸や、黒い紐、腰にぶら下げてリアル感を出すウエストポーチや手ぬぐい等があっても面白いかかしを作る事が出来ます。 太字の黒マジックペン(油性)があると、顔のパーツを書いたりするのに便利です。 自宅で使わなくなった、やかん等を持たせても光ものなので効果があります。
かかしの作り方の手順
かかしの手作り方法は至って簡単です。 人間の人形を作れば良いのです。 順番としては、身体の各パーツを完成させて、最後一気に組み立てるのがスタンダードです。 パーツの作り方は人それぞれ、瞳に拘ってビーズ等キラキラしたものを白い布に縫い付けたり、唇部分に真っ赤なガムテープを貼って表現しても面白いでしょう。 ポイントは、鳥や動物が嫌う光物を要所要所に使う事です。 そして、動きに敏感な動物撃退に役立つ為にも、固定し過ぎず、髪の毛は風になびくような作りにした方が効果的です。 ボディーはワラに洋服を着せるだけで良いでしょう。 如何に人間に見せかけるかが重要なので、1つの田畑に対し、1体だけでなく、2・3体かかしがいると尚良いでしょう。 急いで作る必要はありません。 何日か掛けて、人間等身大のかかしを完成させましょう。 着させる洋服の色やデザインも工夫次第で楽しくなります。 雨風にさらされる「かかし」なので、防水対策も出来れば行います。 洋服はナイロン系の素材にして、麦わら帽子も目の詰まったものより、速乾性を重視して軽い網目の大きなものを被せる等、少しの工夫でかかしは長持ちします。 基本的にワンシーズン毎に作り変えるので、その年の流行色や出来事(例えばオリンピック開催の年なら、五輪のマークを入れる等)を取り入れても乙なかかしになります。
かかしの作り方のまとめ
オリジナルな案山子をつくってイベントに参加したい方へ、シンプルで簡単な案山子の手作り方法を紹介します。これをベースに、自分なりのアレンジを加えていくことをおすすめします。まずは、骨組みから作ります。人の背丈ほどの長さとそれより少し短い竹もしくは木を各1本用意します。長い方の木の端から40センチほどの所と短い木の真ん中を十字に合わせて、釘と麻ひもで固定します。次は頭を作ります。骨組みの頭の設置部分に新聞紙や古布を針金を使いながら巻きつけ、上からゴミ袋、次いでストッキングの順で被せて形を整えます。さらに、その上に無地のTシャツなどを被せて、マジックなどで顔を書きます。胴体は、肥料袋などの丈夫なビニール袋を使います。袋の中に小さくした発泡スチロールや新聞紙を詰めて、上から服などを着せます。これをベースにして、アレンジを加えていきましょう。例えば、手になる部分には大きめの手袋をはめるとそれっぽくなります。あえて足をつけて案山子のポーズを変えてみたりすると愛嬌のある案山子になります。麦わら帽子をかぶせてみたり、髪の毛をつけてみたりするのもいいでしょう。もし藁があれば、腕や顔の部分に藁を使うと、より、案山子らしさを出すことができます。小さめのサイズの案山子も作って親子案山子にするのも楽しいです。
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日本の古きよき里山の風景の一部となってきた「案山子(かかし)」。田んぼや畑に植えた作物を鳥などの害獣から守るために人間の知恵が生み出したツールのひとつです。案山子にどれほどの効果があるかはわかりませんが、実りを迎えた黄金色の田んぼに立つ案山子は、日本人の郷愁を誘うほど、日本人の心にごく自然のものとして定着している存在です。とはいえ、案山子は日本にだけあるのではなく、世界各地にあります。 ちなみに英語で案山子は、「scarecrow」といい、カラスを怖がらせるとか、みずぼらしい人という意味があります。一方、日本の案山子の語源は「嗅がし(かがし)」だと考えられています。「嗅がし」とは、昔、髪の毛や魚の頭などを焼き、それを串にさして田畑に立て、その臭いを鳥や獣に嗅がして追い払ったことが始まりだと考えられています。日本では、案山子は鳥や獣から作物をただ守るだけのモノではなく、歴史を見てみると、案山子=田の神と考えられてきたようです。日本全国に「春になると山から山の神が里に降りてきて、田の神となって、秋の収穫まで稲を守ってくれる。」という伝承が残っています。また、中部地方のように秋の実りを田の神(案山子)に感謝する「案山子上げ」などの伝統行事も残っている地域もあります。